非同期式回路の設計支援技術 ~低消費電力?低電磁放射な回路を自動で生成~

概要

〇背景
現在の組み込みシステムのほとんどは、クロック信号と呼ばれるグローバルな信号を用いて回路全体を制御する同期式回路として実現されている。しかしながら、集積回路の微細化技術が向上するにつれ、クロック信号自身の消費電力の増加、回路全体が一斉に動作することによる電磁放射の増加などが深刻な問題となる。

〇非同期式回路とは?
非同期式回路は、同期式回路とは異なり、ローカルな要求応答信号を用いて回路を制御する。クロック信号を用いないため、クロック信号にまつわる問題がない。また、ローカルな要求応答信号によって必要な時に必要な部分が動作するので、潜在的に低消費電力、低電磁放射である。しかしながら、同期式回路と比べ非同期式回路の設計は困難である。用途に応じて適切な回路モデルを選ぶ必要がある。また、選ばれた回路モデルによって、設計手法が異なる。

〇目的
本研究では、C言語によって記載されたアプリケーションの仕様記述より、面積や性能などの設計制約を満たす最適な非同期式回路を自動で設計する設計支援CADシステムを開発する。